『続・仁義なき嫁4 ~片恋番外地~』をお読みくださったみなさま、ありがとうございます。
恒例になりつつあります、あとがきモドキ、ご入用とのことでしたので書きます。
(でもこれって、禁断の言い訳&解説だったりするんじゃ…。温かな気持ちでお読みくださいませ)
さて、シンさんメインはいかがでしたでしょうか。こんな感じになりました。
シンさんの片想いに絡め、周平との関係と今後への決意をテーマに。
三十路なんでね、そろそろ独り立ちしたり、覚悟を決めたりが必要なんですね…。
兄貴分の嫁だから欲しいのかと言う問題が主題になるかと思いきや、そうなりませんでした。
佐和紀は佐和紀で、誰の所有物でもないと言う世界観なんだなぁと、自分で書いていて改めて感じたり。
シンさんが一人でせっせと立てた『死亡フラグ』は佐和紀が一本ずつポイポイッと抜いてしまいました。
まぁ、佐和紀もあぁ言う人なので「俺のために生きて」とは言いませんね。
基本、「死んで」の人なので。
「死ぬなよー」みたいな感じはあるんですが。
佐和紀が「生きて」と頼むのは周平ぐらいでしょうか。「死ね」って言うけど。
佐和紀にとっては周平が「生きている意味」だし「生きてきた意味」だし「生きていく意味」だし、とにかく恋も愛もエロも「周平という存在」に集約されるんですよね。
そこに傷をつけようと思ったら、死ぬしかないんですけど、シンもさすがに「自分が死んでもこの人は忘れる」と思ったんじゃないでしょうか。
書いてる私は、好きだと思ってもらえないけどセックスして何の意味があるかなぁと思ってました。
一回でいいから…!
ってよく聞きますけど、そういうの、軽いですよね。ね…。
シンは、周平と同じで、嫌と言うほどセックスしているので、もうだいたいの快感は知っているので、抱き合う虚しさも知っているわけで。(ここわかってない人は石垣ですよー。あの人、シモ担当しないから)
シンもセックスして満たされたいんでしょうけど、佐和紀相手には無理ですよね。
周平も、それを諭してやりたい気はあるんだけど、根が意地悪なんで(厳しいともいう)、助言しません。そんなこと。
ユウキやら星花やらをあてがうのは、佐和紀に横恋慕してることへの嫌がらせでもあり、「男同士のセックスはこんなもので、佐和紀はおまえを好きにならないんだから、これと変わりないんだ」と言ってるんですけどね。
それを、自分で理解しなさいと言う厳しさ。
頭のいい人、怖い。
でも、自分の舎弟は大事にしている周平なので、佐和紀に潰されたくないって思いもあるんですよ。
だから、嫉妬したりして、佐和紀にも釘刺すんですけど。
佐和紀は全然理解しませんね!したい放題です。
シンに対する佐和紀のからかいは、「自分に好意を持っている相手をからかう」って言うよりは、単におもしろいからなんですよね。あと、友達がいなかったので、基本、その辺りの付き合いもわかってないので(笑)。
あれが、佐和紀のじゃれ方だったりして…。それも怖い。
(ツイッターでは、佐和紀は恋する気持ちがわからないと書きました。佐和紀は失恋経験もないし、片想いらしい片想いもしてないですから。片想いでうわー!ってなって逃げだしたら、相手が探しに来てくれて、文句にすべて謝ってくれますから…。キスした瞬間から両想い(笑))
配信が始まって、感想をいただき、読者さんとやりとりしているうちに、
「そのうち、シンは、足の指でいいから舐めたい」とか言いそう…と思ってしまいました。
酔ったら、じりじり酔ってきて「足、舐めさせてください」みたいな。キスより性的で恐ろしい。
今回、一応、気持ちの落としどころを作ったつもりなんですけど、恋愛的には泥沼ですよね…。
書き上がったときはすっきりしたのに、おかしいなぁって感じです。
とりあえず、「好きでいてもいいよ」と言われ、「その代り、俺のために働いてもいいよ」と言われたシンさん。
まぁ、ドMですよね。
そう思います。でも、ひどくされているつもりは本人にないので、なおさら周りがドン引きするという(笑)。
でもね、純愛なんですよ。 究極の純愛なんですよ…。
見返りは求めてないし、そばにいていい確証がもらえて本人は幸せです。
これからの活躍を見てくださいね!!みたいな感じすらある。
親がやくざで、人生を失敗して、居場所がなくて、宙ぶらりんで、やっと自分で「ここ」と決めることが出来たので。
佐和紀が美人の男嫁じゃなくて、普通のヤクザだったら、ごく普通の「Vシネ」なんですけど。
シンに男をあてがっていた周平の心の中には、「もしかしたら、佐和紀を襲って死ぬかも」と言う悩みもあったと思うんです。万に一が。少しずつその思いに囚われて、きっとダメだろうと悲観的になったときに、佐和紀が「シンが欲しい」というわけで。
周平はセックスの中で生きて来て価値観がそこなので、カチンと来たり、嫉妬したりするわけですが。
佐和紀はただひたすら、「周平の大事な岡村は、周平を裏切らないよ」と思ってる。
その根拠は「周平が大事にしてきたんだから」です。
なに、それ。絶対的信頼感。
「おまえが心を傾けた相手は絶対におまえを裏切らないんだよ」と言いたいんですが、言葉足らず過ぎるので、「シンが欲しい」になる(笑)。そこで周平が無体を働くのは、心に余裕がないから。
たまには余裕なくして欲しいですよね。ね…。
ちなみに、宮島の宿で岡村が暴走したら、佐和紀は遠慮なく半殺しにしたと思います。
ケンカ腰にならなかったのも、警戒心を見せなかったのも、信頼感の現れだし、その奥には「周平を裏切ると後悔するのはシンだ」と言う思いがあるわけで。それをさせたくないと思ってるはずです。
あのシーン、石垣だったら、キスまで行ってるわーって思いました。
岡崎だってBまで行けるよー。
と言うことは、佐和紀だって、キスぐらいはいいと思ってたんじゃ…。くちびるがぶつかるぐらい事故のうち。
あ、シンさん。もったいない(笑)。
書いているこっちも、それぐらいはねーと思って書いてるんですよ、実際。でも、しない。
それで、この人の求めてるのは身体じゃないなと気づかされると言う…。
シンは一緒にお風呂に入ればいいよね!大浴場なら大丈夫だろうし、勃起してもいいじゃん!入れるよ!
と、私は思います。
そして、めくるめく妄想だけをする人…。
入れられなかったシーンが一つありまして。
すべてが終わった後で、シンがお風呂はダメだけど、サウナには付き合いますって話。
でも、佐和紀は薄手の浴衣着せられる。決して裸ではない。
「詐欺だ」ってさわきが苦笑するってネタが…。
でも、これ、お風呂よりもエロいんですよね…。いやー、このシーン書かなくてよかった!
佐和紀が危険なのは、あんなに思わせぶりに見えても「友情」なので、ごく普通に、温泉の有料チャンネルかけて「よし、一緒にビデオ見て、発散するか」とか言いそうなことです。
……それって、浮気に入りますか……。どうなんですか。
佐和紀は「男同士なら友達同士でそういうのは普通にある」という知識なので、じゃあ、俺たちも!みたいな。
佐和紀のこの考え方が一番危険ですよね。
その論理でもって、三井とセクキャバ行くんですけどね…。
そして三井が「え? 胸、揉むの? 勃起すんの?」ってなって、最後は顔色変えて「指入れはやめろ!」って怒る…。自分はするくせにって拗ねる佐和紀。
↑全然、BLじゃないので私の中にだけある、佐和紀日常です。
三井は、知られたら困ることいっぱいあると思う…。ソープにも連れて行ったし。
知られたら、周平・岡村・石垣・ついでに岡崎から怒られるわー。
だから、ビデオ鑑賞に誘われたら、シンが「そんなことしたら、俺、襲いますよ」って言わないと、佐和紀は気づかない。
「あー。そうなんだ。スイッチなんだー。じゃあ、やめとこうか(しょぼん)」みたいな。
シンは、(この人、何を考えてるんだろうな)って思うかな。
シン「じゃあ、シゴキ合いましょうか…」
佐和紀「それはおかしい」(←それはわかる)
佐和紀は、女の身体も好きですけど、女と恋愛はしないですね。
何でかと言うと、やっぱり、そう言うのは「周平だけ」なので。
グラビア見て反応もするし、道行く女の見て「いけてる」とも思うけど。好きになった相手としかしたくないし、挿入したい!って言うのもなさそう。そこは周平が完全に染めちゃったからな…。
周平以上に上手な女はいないし、たぶん女とするより周平の手か口の…自主規制…。
結局、佐和紀は一棒主義どころか、気持ちも一人だけなんですね。
運命の人に出会えて本当に良かったね…。岡崎兄ぃはすべてのおいて練習台。踏み台とも言う。
でも、恋愛に傷つき、いわばセックスしかとりえのない周平(笑)が、夫婦関係を上手くやれてるのって、実は、いいお手本がそばにあるからなのでは。岡崎兄ぃって偉大ですよね。あの京子さんと結婚してますからね…。
ほんと、NHKの朝ドラみたいなね…。
(これ、岡村編のあとがきだったはず…)
まぁ、そういうわけで、シンさんは佐和紀が周平を好きなら、そういう気持ちごと愛していくんじゃないでしょうか。
まだ、恋ですけどね。
シンさんには、まず抱きしめるところからアプローチして欲しいと思います。
そのうち、くちびるにキスも…できるんじゃ…ないかな…。
寝ぼけた佐和紀から、周平と間違われてキスとか(笑)。
そこで俺を見てください的に怒ったりできるぐらいに成長しないとね…シンさん。するかなー…。
その前に佐和紀が「あ、間違えた。おまえも、言えよ」とかケンカ売ってきそう。
自分が間違えたのに(涙)。
今回、なんだか石垣がすごくシンに甘えていて、「どうした」って私は思いました。
不安なんでしょうね…。周平から離れるの…。
突っかかったり、偉そうにしたり、甘えたり、石垣もたいがいツンデレですね。
是非とも、三井と最後の泥酔をして欲しいです。浴びるほど飲んで、その辺りで寝ちゃったらいい。
もしくは昔話で泣くとか。
周平にとって、シンも特別だけど、石垣も特別扱いなところありますね。
モラトリアムが許されている二人。
田辺はシノギを持っているし、三井も組に食い込んでますから。
石垣の留学は、どうしてそんなことに…って、自分でも思うことあります。なんで、そんな設定を作ったのか、と。
一度は、やっぱりやめようかと思ったほどです。
でも、佐和紀も行かせたがるし。周平もそうだし。仕方ないです…。
世話係が崩れちゃうという寂しさはあるかと思いますが、この先、いろいろありますので、そのための布石だと思って送り出してやってください。
そして、周平は、石垣の油断ならないとこ知ってるから…!
昔々、あんたのやり方が気に食わないと、正義感丸出しで突っかかって来て殴り合いになったこと…。
佐和紀が好きすぎて女を作らないシンよりも、好きだからこそ女を切らさないタモツ…。
買い物を言い訳にせず、二人だけの食事に誘うタモツ…。
佐和紀が大好きな高学歴の(好きなのか)タモツ…。←読書の先生なので。
タモツが出かけるとき、佐和紀は泣くかなぁと、最近はそんなことを考えます。でも、まだ考えたくない…(涙)。
あと、周平は、石垣に一番、自分を重ねてもいるみたいですね。
シンもそうかなぁと思ってたんですが、それ以上に。
それもあって、シンにはこちら側にいて欲しいけど、石垣にはカタギ側に戻って欲しいと言う思いもあるのかなと思います。
そして、そんな私は、そろそろサイコパスなお仕置き部屋の人にも名前があげたくなってきました。
本物の恐い人なので、出てきて欲しくないですが(笑)。
どうしても存在を書いてしまう…。
そんな人にお仕置きされたユウキ…。周平、本気で怒ったんだね。実は。
ユウキの打たれ強さも相当なんです。
今回のテーマ曲は前の短編に引き継ぎ「早春物語」でしたが、付け加えて「even if」平井堅さんです。
片恋番外地は、「網走番外地」から。でも、シンさんは囚われに行く方です(笑)。反対。
今回、星花と佐和紀が顔見知りになり、ここに「用心棒にキスの雨を」の暁明を入れたら、「横浜美人トリオ」だと勝手に思ってます。
ちなみに、星花とシンさんの間に、恋は生まれませんので…。
もはや遊び友達。個室以外で会うことがない(笑)。
星花が出て来たし、佐和紀が船上パーティーデビューしてもいいんだけどとも思いました。
「用心棒に…」に出てくる船のパーティの仕切りは、周平のデートクラブ関連という設定。
でも、あそこは魔窟なので、周平は嫌がるでしょうね。自分が一緒でもどうかな。
異業種交流会と言う名の乱交パーティーなので。
星花はすごくこっそりと佐和紀を誘惑しそう。「挿れてみません?」的な。
佐和紀は意外と攻需要で誘われますね。ユウキもそうだし(周平目当てだけど)。
星花の場合は、普通に、佐和紀に興味があるみたいですが。
星花の恋はゆっくり醒めて行くかな…。双子と幸せになれ…よ…。
そう言えば、「春売り花嫁とやさしい涙」を書くとき、ユウキの相手として、うすぼんやりとシンさんいいかなーって思ってたんですよ。
でも、そうならなかったね…。
私はいいと思ったんだけど、二人は「嫌だ」って(笑)。そっかー、嫌かーって思いました。
あの二人はシンと星花以上にビジネスですね。お互いに「なんでこんなことを…」と思いながらしてる…。
本当は身体の相性が悪いんでしょうね!(笑)
ユウキにとっては「あの嫁に惚れてたやつなんか、なおさらにいけ好かない」みたいな。
さて。
本当なら、作品だけで表現すべきことをいろいろ説明してしまって、申し訳ありませんでしたー。
でも、「…かなぁ」「って感じかも」です。
書いている中でわかってくることもたくさんあるし、読んで下っている皆さんの印象も「正」です。
感想をくださる方、ありがとうございます。
ツイッターでやり取りしてくださる方も。
手前味噌ですが、自作シリーズ語り大好きですし、皆さんの想像とかを聞くのも楽しいです。
それぞれの心にそれぞれの周平と佐和紀と周りの面々が生きていると思うと嬉しいです。
そこを裏切ってしまうこともあるでしょうけれど、予定調和はラストの大団円だけで…と思います。
なので、微調整微調整しながら楽しんでいただけたらと思います!
最後に、支倉は佐和紀をどう思ってるのかというお話なんですが(ここで)。
まだ落ちてはないんですよ。ケガをさせてしまった負い目です。
あの人、ゲイでもないし、ノンケでもない気がする。本当に、人を好きになったことないんじゃないかな…。
って、最近思います。
本当に盗聴してるかどうかもわからないですが、どっちを見たいんでしょうね。
周平か、佐和紀か…。
生物学的に同性同士の交尾について検証してそうな気もしますが…。
それにしても、書くたびに「おかん」みたいになって来る。本当に小姑(笑)。
それでは、このあたりで「続・仁義なき嫁4~片恋番外地~」のあとがきモドキを終わります。
最後の最後に、今作を踏まえた、岩下夫婦の会話をお送りします。本編書き終えてすぐに浮かんできたやりとりです。
佐和紀「なんかさー、おまえまでシン煽ってるだろ? 俺がさ、シンを好きになってもいいの?」(周平をからかいたい)
周平「俺だってな、おまえに対するのと同じように、あいつを信用して信頼してる。その相手をおまえがつまみ食いしたいって言うなら、仕方ない。真剣に、試してみたいなら、仕方ない…」
佐和紀「ごめんなさい。もう言いません」
(人の大事なもの、大事な想いを踏みにじってはいけません。周平の気持ちには、こんなに敏感なのになー)
あとがきモドキ 終わりぃー。